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日中友好SNS 紅橋

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http://honyaku.yahoo.co.jp/

日本社名:株式会社アシックス
中国社名:愛世克私(上海)商貿有限公司(販売)
                江蘇愛世克私有限公司(生産)
http://www.asics.co.jp/
愛世克私(上海)商貿有限公司、董事・総経理
兼 江蘇愛世克私有限公司、董事・総経理 小辻弘夫氏


「“世界のアシックス”を目指して」


<前回の続き>

−中国の偽ブランドに対しての対策について教えてください。

そのような偽ブランドへの対策は、すべて日本の本社の業務となっているため、上海で生産・販売をメインとしている我々が独自に対策を取ることはありません。そのかわり、日本本社では様々な調査を重ねた上で現場差し押さえを検討するといった対策を立てており、実際に偽ブランドの販売会社を抑えた案件もあるんですよ!


−中国の販売に関して苦労されていることは何ですか?

これは上海赴任当初も現在も同じなのですが、他社に比べると知名度が圧倒的に低いことです。日本国内では10人中9人は弊社の社名を知っており、スポーツ用品を扱う会社として認識されている状況と比べれば、中国では100人に1人が社名を耳にしたことがあるかないか、最早1%にも満たない状況なのです。実際、売上の面では世界第四位となっている弊社ですが、中国で巨大なプロモーション活動をし、売り上げを拡大しているNIKEやadidasには確実に後れをとっているのが現状です。この知名度という点に関しては、今後も様々な広報活動を貪欲に行う必要がありますね。


−広報活動に関して、具体的な策を教えてください。

当たり前のことですが、広告に割ける費用というのは、少なからず会社の規模と比例してしまいます。例えば、NIKEやadidasのように大規模な広告宣伝をしようと思ったら、それこそ莫大な費用がかかってくるわけです。そこで、どのような媒体を通して宣伝するのかということが重要になってきます。単に広告といえど、その手段は多岐にわたり、コストの高い電波媒体から、ラッピングバスや地下鉄の駅といった公共機関を利用した宣伝、大会協賛など、非常に多くの媒体が存在します。その中で、いかに少ない資本投資で多くの効果を得るかという“費用対効果”に重点を置き、あらゆる広告媒体を利用して知名度アップを図っています。


−中国ではどのような販売スタイルで消費者へ商品提供しているのですか?

中国においては直営店と代理店を通しての販売となっています。北は瀋陽から南は広州・深センまで、約40店舗の直営店と約200店舗の代理店を通じて、商品を販売しています。直営店よりも代理店が多い理由は、やはり直営店は手間がかかり、ハイリスクハイリターンという理由からですね。直営店であれば自社の製品を自ら販売するわけなので、利益率は当然高くなってきます。その反面、経費もかかりリスクが高いというのは言うまでもありません。それゆえ、現在は代理店を通しての販売が主流となっていますが、中国での現在の店舗数ではまだまだ足りないと感じています。この巨大な市場を有する中国においては、弊社はまだまだ“発展途上”なのです!


−NIKE、adidas、PUMAの世界上位三社に対する、小辻様の見解を教えてください。

総合的に視れば、やはり世界上位三社、特にNIKE、adidasの全体像はかなり大きなものとなっています。しかし、バレーボールやゴルフ、野球、サッカーというようにカテゴリー別に分析していくと、我々のほうが秀でているカテゴリーがあるのです。それがずばり“ランニング”の分野です。実際にランナーが履いているシューズとしてのジョギングシューズ、ランニングシューズに関しては、間違いなく世界第一位のシェアを誇っています。理由は、弊社が世界に打ち出している、「ランニングで世界を攻略する」というテーマに起因しています。東京マラソンやNYマラソン、パリマラソンやオーストラリアのゴールドコーストマラソンといった世界規模の大会の開催をサポートすることで、“ランニングのアシックス”として世界に認識していただきたいと考えています。
総合的に大きな他社に対しては、ただやみくもに勝負して勝ち上がることは非常に困難です。そこでまずは弊社の一番得意な“ランニング”という土俵で徹底的に勝負し、そこから徐々に新たな分野に広げていくといった形で、自分たちを強くしていくしか方法はないと考えています。


−多くのアスリートが御社の製品を愛用していますが、小辻様の中で最も印象に残っているトップアスリートに関連するエピソードを教えてください。

やはりイチロー選手でしょうか。私自身が実際イチロー選手にお会いしたことはないのですが、日本の本社にはイチロー選手の使用しているシューズが飾ってあります。本社の職人に聞けば、イチロー選手が使用するスパイクの軽さはほぼ限界にきているそうです!以前、前社長があるテレビ番組で「イチロー選手のスパイクはアシックスのあらゆる技術を掻き集めて作られたシューズなんですよ!しかし、彼は毎年『あと10g軽くして下さい』と更に軽さを追求されます。職人からしてみれば、この−10gがどれだけ厳しい闘いであり、この課題を克服するのにどれだけの努力が必要か!本当に想像を絶する世界です。しかし、そうした努力の末に完成したシューズを、イチロー選手本人が納得してくれる。こういった高い要求に応えていくことで、結果、我々メーカーとしても技術力をより一層向上させることができるのです」と話されていました。

そしてその後、アナウンサーが「では、アシックスの技術というものはそういったところで培われて、それが一般に販売されているシューズにも生かされているということですね!」と尋ねました。すると社長は「そんなことはあり得ない」と一言。何故ならば、イチロー選手のスパイクは軽さの限界に挑戦するあまり、“耐久性”というものが犠牲にされているのです。でも彼らのようなトップアスリートの方は1試合で1足もてばいいのです。極端な話をすれば、1足で1試合の9イニングスもてば十分です(笑)。ということは、そんな耐久性をほとんど無視しているような靴を一般の方に販売すれば・・・いきなりクレームの山ですよね(笑)。
野口みずき選手や高橋尚子選手といったマラソン選手の場合も同様です。彼女たちが履くシューズは異様に軽いですよ!でも彼女たちが履く靴は、フルマラソンの距離である42.195kmのみを走ることができればいいわけです。もちろん選手の方々もそれを承知で愛用しているわけですから、一回履いた靴をもう一度履くことは絶対ありませんね。実際はもう少し走れるかもしれませんが、アシックスは42.195kmという距離だけを保証して作っています。それ程までに弊社は、トップアスリートたちの要求、特に“軽さ”に対しては限界まで追及して取り組んでいます。


−小辻様のお気に入りシューズを教えてください。

個人的には、個人的にはですよ(笑)ずばり、弊社のランニングシューズの最高峰モデルである「Gel-Kinsei2」ですね!もうめちゃくちゃカッコイイと感じています(笑)。アシックスのランニングシューズは、デザインを重視しファッション性に特化したオニツカタイガーのシューズとは違い、“機能美”として非常に優れており、足を痛めないためのクッション性と軽さを有した履き心地は最高です!機能満載でありながら、デザインもあしらえた非常に美しい商品だと思います。

そして、このシューズにもエピソードがあるんですね。実はブラジル代表女子バレーボール選手はこのKinseiを履いて2008年北京五輪の公式戦を勝ち進み、見事金メダルを獲得したんです!バレーシューズじゃなくて、ランニングシューズで金メダルですよ!(笑)もちろんブラジルの各選手が契約するメーカーは異なるのですが、北京入りされて弊社へ来られ、6,7名の選手から「アシックスのKinseiを履きたい!何とか用意してくれないか?」と言っていただき、即指定されたサイズのシューズを求めて北京中の小売店を走り回りましたよ(笑)。何とかシューズを買い揃え選手に提供はしたものの「本当に履くんかいな!?」と半信半疑でテレビをつけると、コートにいる3,4人がKinseiのシューズを履いて実際にプレーしているんですよね。嬉しかったですよ。こんなエピソードを持つKinseiというランニングシューズが、私の一番のお気に入りシューズです。


−御社の中国における今後の事業展開を教えてください。

弊社の今後の展開としては、中国の“購買力10大都市”と言われる個所を重点的に拡大していきたいと考えております。その都市とは上位から順に上海、北京、深セン、広州、天津、大連、南京、杭州、瀋陽、ハルビンです。これらの都市を中心に、知名度アップを図る方針で取り組む次第です。商品自体に関しましては“世界一のモノ”を作っていると自負しておりますので、世界第四位のスポーツ用品メーカーであるということさえ認識していただければ、自ずと中国での拡大は可能だろうと私は思っております。


−小辻様はアシックスをどのようなブランドにしたいと考えておられますか?

ずばり“世界のブランド”です。ここ数年で、かなり世界のアシックスに近づいてきたとは感じるのですが、やはり現在はまだ“日本の”アシックスです。「このブランド、もともとどこの国?」っていうブランドがよくありますよね?それと同じように、「アシックスってどこの会社だっけ?ヨーロッパ?アメリカ?」といった感じで、国籍不明のブランドでありながら、世界中誰もが知っているブランドにしていきたいと、私個人は願っております。

−最後に、留学生にメッセージをお願いします。

私は40歳を越えて初めて海外駐在という形で上海にやってきました。20代、30代の頃にも、出張という形でいろいろな国に行った経験がありますが、やはり出張という形で海外に出るのとそこに実際住むのとでは全然見えるものも違いますし、感じることも違ってきます。おそらくこちらに留学されている皆さ